【パルマデマジョルカ(スペイン)10日=高橋智行通信員】スペイン1部のマジョルカに所属するMF久保建英(18)が待望の移籍後初ゴールを記録した。

ホームのビリャレアル戦に先発。2-1の後半8分に左足で鮮やかなミドルシュートを決めた。18歳5カ月6日での一撃は、日本人の4大リーグ史上最年少得点となった。東京五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表に招集されており、17日の国際親善試合、同コロンビア戦(広島)に向け、弾みをつけた。

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まさに目の覚めるような1発だった。待望の瞬間は後半8分。久保はペナルティーエリア手前でパスを受けると、左足でわずかにボールの位置を変えシュート。ゴール右隅へ豪快に決めた。「大きな夢の1つが実現した」と喜びつつ「でもボールを失う場面もあった」と自身への注文も忘れなかった。欧州4大リーグでの日本人最年少ゴール。従来の森本貴幸(カターニア=セリエA)の記録を更新する一撃だった。

ベンチスタートが続き、定位置を確保できず、新天地で苦しんでいた。公式戦での得点はクラブ、日本代表含め、まだ東京在籍時の6月1日のJ1リーグ大分戦で2得点して以来だった。「長かったと言ったら長かった。でも今日入ったので今までのことは忘れ、この感覚を維持していければいいと思う」と力強く語った。全得点に絡む活躍。抜群の存在感だった。

今夏、18歳にして世界一の名門Rマドリードに完全移籍。いやが応でも期待は高まった。だが冷静だ。「リーグで若いのは僕だけではない。今のサッカー界は若い選手がどんどん増えている。注目はポジティブに受け取る必要があります。時に大きなプレッシャーを感じることもあるけど、そういうものと受け止めていかなければいけない」と言ってのけた。日本代表としてW杯アジア2次予選などでプレーし、度々チームを離れながらも、区切りの出場10試合目で輝いた。

近日中に帰国し、同じA代表常連のMF堂安らと、3月以来となる東京五輪世代のU-22日本代表に合流する。同代表招集メンバーでも最年少だが、主力として期待を背負う。この世代に加わるのは久しぶり。「(五輪代表は)完全に別のチームに生まれ変わっていると思う。新しく入る選手もいるが、その選手たちがしっかり順応して、また競争が生まれていくのが一番だと思う」。久しく見せることのなかった明るい笑顔に、確かな自信がみなぎる。記念弾を手土産に日本へと向かう。