ブンデスリーガの今季再開ムードをぶち壊す衝撃映像が投稿され、同国サッカー界を大きく揺るがせている。

ヘルタに所属するコートジボワール代表FWサロモン・カルー(34)が4日、自らフェイスブックのライブ動画を投稿。クラブハウス内を練り歩き、同僚から1・5メートル離れることなく握手や拳を突き合わせてチームメートとあいさつ。同僚のDFジョーダン・トルナリガ(22)の新型コロナウイルス検査を邪魔し、担当した理学療法士から「その動画を削除してください」と頼まれるシーンが含まれていた。

またPC作業中のクラブスタッフに近づき、手を振って数秒間話し掛け、コロナウイルスの影響で10%以上の賃金カットを受けたとボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWダビド・イビセビッチ(35)と給与明細を手に不満を示す場面もあった。4日のドイツ紙ビルトは「スキャンダルビデオ」「控室からクレイジーなライブ動画」などの見出しで批判的に報道した。

既に削除されたカルーの動画だが、その行動はドイツ・サッカーリーグ(DFL)が公式戦再開に向けた社会的距離を保つ衛生ルールにすべて違反する行動だった。DFLは「ヘルタ・ベルリンの控室からのカルーの動画は完全に受け入れられない」と公式ツイッターで異例の怒りコメントを発表。ヘルタも「カルーはクラブに多大な損害を与えただけでなく、個々の選手がコロナウイルスの問題を真剣に受け止めていない印象を生んだ。明確にクラブの行動規範を反映していない」と声明を出し、カルーを謹慎させた。

同じ4日にブンデスリーガは各クラブの選手、スタッフ陣らのコロナウイルス検査で陽性反応が10人に出たと発表したタイミングだった。ドイツ政府と各州は、6日にリーグの開催可否の判断を下す見込みだが、カルーの軽率行動が影響を及ぼすかもしれない。