レアル・マドリードのウェールズ代表FWガレス・ベール(30)とジネディーヌ・ジダン監督(48)の関係が破綻しているとスペイン紙マルカが16日に報じている。その理由について両者に相互理解の欠如があるためと伝えている。

ベールは14日、約3カ月ぶりに再開されたスペイン1部リーグ第28節エイバル戦に先発予想されながらもベンチスタートとなり、後半途中からの出場となった。しかし、そのことは受け入れ難く不満を感じていたとのこと。

ベールは新型コロナウイルスの影響によるリーグ戦中断期間、日々の練習でチームメートよりもフィジカルコンディションが良いことを示し、モチベーションが高い状態でリーグ戦を再開する予定だった。しかしジダンが下した決断は、リーグ戦中断前の状況と同じベンチスタートで、ロドリゴがサプライズ起用された。

前半すでに3-0で勝利し、試合がほとんど決まっていたこともあったという理由もあったが、再びの控えという立場となったベールは後半16分に出場するも終始、覇気や意欲のないプレーを見せた。さらに試合後にはわずか29分間の出場で筋肉過負荷となっていた。

ベールとジダンの不仲説が流れるのは今に始まったことではない。キエフ(ウクライナ)で開催された2017-18年シーズンの欧州チャンピオンズリーグ決勝、ベールはリバプール相手に後半途中からの出場で2得点を記録する大活躍を見せてチームを優勝に導いた。その試合後、ジダンへのあいさつを拒否したという両者の関係性に問題ありとのエピソードが出ていたが、ジダンがその直後に監督を辞任したため、うやむやになっていた。

そして、その9カ月後、ジダンがRマドリード監督に就任し、再びその問題が浮上し現在に至っているとのこと。一時信頼を得た時期もあったが、ジダン第2期政権のベールの成績は68試合17得点と素晴らしいものにはなっておらず、ここ最近は控え選手になっていた。

クラブはベールにまだタイトル獲得に貢献できる力があると見ている一方、現時点ではジダンとの関係性に解決策がないこと、対話と理解が戻ることがないことが明らかであることを分かっている。そのためマルカ紙は今後、両者がうまく共存するためのベストな形を探さなければならないと伝えている。

なぜなら移籍話は頻繁に出ているものの、高額な年俸が障害になっていること、そしてベールや家族がマドリードでの生活を気に入っているため、22年6月30日まで残る契約を全うする可能性があるという。また代理人のジョナサン・バーネット氏も先週、ベールに退団の意思がないことを再度強調していた。(高橋智行通信員)