3季ぶり34回目のスペインリーグ優勝を成し遂げ、現在1週間のオフに入っているレアル・マドリードが、今夏の移籍市場で選手放出を優先させるとスペイン紙アスが21日に伝えている。同紙によると、Rマドリードは今夏、選手補強を行わない考えを持っているとのこと。一方、昨夏はアザール、ヨヴィッチ、ミリトン、メンディ、ロドリゴ獲得に約3億ユーロ(約360億円)を費やしていた。

Rマドリードが補強を行わない理由は、新型コロナウイルスの影響を財政面に受けているため。これにより今夏計画していた補強を延期することになるが、クラブは現在の良好なチーム状態と今季期限付き移籍に出している選手たちで、来季を乗り切れると判断しているとのことだ。

Rマドリードは現在、36選手と契約を結んでいるが、全員を来季メンバー登録できるわけではないため、人員整理を行い、新型コロナウイルスの影響による収入減を選手売却でカバーする必要がある。

そんな中、今季のメンバー25選手のうち、ハメス、ベール、ルカス・バスケス、マリアーノが今夏の移籍市場で売りに出されるという。また唯一の期限付き移籍選手アレオラはシーズン終了後、所属元のパリ・サンジェルマンに戻ることになる。

4選手のうち、ハメスの退団は決定的になっている。一方、それぞれ22年と23年まで契約が残るも現在戦力外のベールとマリアーノは退団を望んでいないという。ルーカス・バスケスについては来年6月で契約が切れるため、そして残留した場合、ジダンが戦力に含むため、それほど心配がないという。

また出場機会を求めて移籍を希望した場合、ナチョも放出リストに入ることになるが、DFのユーティリティプレーヤーとしてジダンにとって価値ある選手のため、残留しても問題はない。

今季期限付き移籍中の選手を見てみると、来季Rマドリードに戻る選手はほとんどいないと同紙は伝えている。その中でルニン(オビエド)が、今季アレオラが務めている第2GKとして戻ってくる他、クラブがアクラフをインテル・ミラノに売却したため、オドリオソラ(バイエルン・ミュンヘン)がカルバハルのバックアップとして復帰することになりそうだ。

またウーデゴールについて同紙は、来季もレアル・ソシエダードでプレーを継続することで合意しているという情報が出ているものの、ジダンのメンバーに含まれることになると推測している。

一方、バジェホ(グラナダ)、レギロン(セビリア)、オスカル・ロドリゲス(レガネス)、マジョラル(レバンテ)、ルカ・ジダン(ラシン・サンンタンデール)は売却先を探すことになるとのこと。しかしレアル・マドリードは多くの場合、完全に関係を絶つことはせず、権利の50%を保有することを求めるという。

久保建英(マジョルカ)、今季Bチームのカスティージャに所属したヘイニエル、ほとんどトップチームで出番のなかったブラヒムについては来季、買い取りオプション無しの期限付き移籍で他クラブに所属させることをRマドリードが望んでいるとアス紙が伝えている。(高橋智行通信員)