欧州チャンピオンズリーグ(CL)の4強が出そろった。15日(日本時間16日)の準々決勝でリヨン(フランス)がマンチェスター・シティー(イングランド)に3-1で勝利し、10季ぶりとなるベスト4進出を決めた。準決勝では優勝候補の筆頭格であるバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と対戦する。

ベスト4を前にイングランド勢とスペイン勢がともに姿を消すのは24季ぶりとなった

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リヨンが下馬評を覆す強さを見せた。先制点は前半24分。ロングボールに反応したFWエカンビのシュートが止められたこぼれ球を、FWコルネが左足で押し込んだ。後半24分にベルギー代表MFデブルイネに決められて同点となったが、34分に勝ち越す。中央からのスルーパスに抜け出したFWデンベレがGKとの1対1を制した。

ボールを保持して攻め込んでくる相手に浴びたシュートはリヨンの倍以上となる19本。ボール保持率は33%、つながったパスの本数も相手の3分の1にも満たなかったが、GKエデルソンが好セーブを見せるなどして最少失点に抑える。42分にデンベレが3点目を押し込んで、試合を決定づけた。2得点の立役者は仏メディア「RMC Sports」に対し「美しくプレーしようとか、誰よりも速く走ろうとは思っていないし、それは意味がない。やはり勝たなくては。勝利が第一」と話した。

00年代に国内リーグ7連覇も、近年は資金力で上回るパリ・サンジェルマンに主役の座を奪われていた。それが今季の決勝トーナメント1回戦でポルトガル代表クリスティアーノ・ロナウドを擁するユベントス(イタリア)に勝利。2戦連続の番狂わせで10季ぶりに4強へ進み、決勝を視界に捉えた。試合後にガルシア監督が「不利だと思われていたが、3得点し、この相手に1ゴールしか許さなかった」と満足げに話したことを仏レキップ紙が伝えた。

95-96年以来、24季ぶりにプレミア勢、スペイン勢が8強で姿を消した。メッシとCロナウドがどちらも不在の準決勝は15季ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今季は準々決勝からすべての試合がリスボン(ポルトガル)での集中開催で一発勝負。変則日程の影響もあるとはいえ、リヨンは、その実力をしっかりと証明している。次戦はバルセロナを8-2で粉砕したBミュンヘン。今大会で最も高い壁になるであろう相手を上回った先に、悲願となる初のビッグイヤー(優勝杯)が見える。

○…マンチェスターCは複数回の好機を生かせず、3季連続の準々決勝敗退となった。1-2の後半40分にはFWジェズスから折り返しを受けたFWスターリングが、がら空きだったゴール至近距離からのシュートを枠外へ大きく外すまさかの失態。額を地面につけて悔しがったFWのミスを英紙サンは「驚くべきミス」と紹介した。好機を逸した2分後にダメ押し点を決められ、万事休した。