元名古屋グランパス監督でピクシー(妖精)の愛称で知られるドラガン・ストイコビッチ氏(55)がセルビア代表監督に就任することが確実になった。セルビア紙「ヴェチェルニェ・ノヴォスティ」電子版が26日、報じた。

同紙によると、ストイコビッチ氏と交渉を行ってきたセルビア協会が、当初のオファー年俸82万5000ユーロ(約1億300万円)から、年俸100万ユーロ(約1億2500万円)に条件をアップ。この日までにストイコビッチ氏が「ダー(イエス)」と答えたという。

セルビア代表は18年W杯ロシア大会では欧州予選を勝ち抜き、2大会ぶりのW杯出場を決めた。だが本大会では1勝2敗で1次リーグ敗退。もともと昨年開催される予定が新型コロナウイルスにより今年に延期された欧州選手権は、予選B組でウクライナ、ポルトガルに続く3位となり、すでに予選敗退が決まっている。

22年W杯カタール大会の欧州予選開幕が3月24日に迫っており、新監督選出が急務となっていた。セルビアは同予選でもポルトガル、アイルランドという強豪と同組。ストイコビッチ氏の指導力とカリスマ性で、チームを予選突破に導きたい。

◆ドラガン・ストイコビッチ 1965年3月3日、旧ユーゴスラビア生まれ。レッドスターやマルセイユなどを経て94年名古屋入り。01年現役引退までJ1通算184試合57得点。旧ユーゴ代表として国際Aマッチ84試合15得点。W杯は8強入りした90年イタリア大会と98年フランス大会に出場した。引退後はセルビア・モンテネグロ協会(当時)会長、レッドスター会長を歴任し、08年名古屋監督就任。10年にリーグ優勝。15年8月から昨年1月まで中国1部広州富力の指揮官を務めた。愛称ピクシー。