日テレ・ベレーザからイタリア1部ACミランへ移籍する、なでしこジャパンMF長谷川唯(24)が1日、オンライン会見で心境を明かした。

かねて海外挑戦を望んでいた長谷川は、東京オリンピック(五輪)を控える中でも迷いなく移籍を決断したという。ACミランは18年に創設されたばかりで、現在3シーズン目。イタリア1部で12チーム中2位につけており、上位2チームに与えられる欧州チャンピオンズリーグ(CL)への出場権を狙える位置にいる。長谷川は「1位を目指すために力を入れようというのが伝わってきて、必要とされているとすごく感じた。監督に求められているのは、前の中央でのプレー。得意としているところを求めてくれている。個人というより、チームと一緒に上を目指したい気持ちが強かった」と、新興チームへの挑戦を決めた理由を説明した。

女子サッカーの本場といえば米国で、長谷川も幼少期から作文に「米国でプレーする」と書いていたという。欧州ではCL5連覇中のリヨンが戦うフランスリーグ、またドイツのブンデスリーガなどが強豪として知られる。なでしこジャパンのエースがイタリアを選んだことに驚きの声もあるが、本人は「ここ数年は欧州の女子サッカー、男子クラブが強いチームは特に力を入れている。レベルがすごく低いとは思わない。日本にもいいところがあり技術も高いけど、海外ではそれだけじゃ通用しないと国際Aマッチで経験している。スピードや当たりの強さを考えると、そういう場所に飛び込むのも大事かなと思う」と持論を述べた。

体格や身体能力の異なる相手と日常で戦うことで、さらなるレベルアップを目指す。イタリアらしい激しい守備への対応力を磨きたいといい、「欧州でやるからにはCLに出たい。そこを目指せるチームというのも、行くことを決めたひとつの理由。まずはこのチームで1位を目指したいし、ミランがCLで上に行くために全力を尽くしたい」と決意を語った。