デンマークのMFクリスティアン・エリクセン(29=インテル・ミラノ)が12日、試合中に突然倒れ、欧州選手権1次リーグB組のデンマーク-フィンランド戦は一時中断の末、再開され1-0でフィンランドが勝ち、初勝利をつかんだ。

エリクセンは会場に近いコペンハーゲン市内の病院に運ばれた。現在は意識も戻り、容体は安定しているという。

この試合を受け、イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトの採点で、デンマークの主将、DFシモン・ケアー(ACミラン)が9点と、破格の高評価を得た。

電子版の見出しには「ケアーは真のキャプテンであり、9点に値する」とある。

採点は、カルチョの国の伝統で、10点満点だが、平均5・5あたりで、どんなに素晴らしいプレーをしても7・5あたりを上限とすることが慣例。

超絶辛口で知られ、その寸評コメントも絶妙だが、過去に10点もあり、その10点は1998年にウディネーゼのGKオスカルピが、交錯して倒れた味方に、人工呼吸と心臓マッサージして命を救った際に、10点が与えられたことがある。

途中交代し、ショックもあり、最後までプレーできなかったとされるケアーも、同様の行為が認められたとみられる。

ケアーは倒れたエリクセンのもとに駆けつけ、DFヨアキム・メーレ(アタランタ)とともに、初動対応にあたり、緊急事態にピッチまで降りてきたエリクセンの妻サブリナさんを、シュマイケルとともに抱き留めてサポートした。

ガゼッタ・デロ・スポルトによると、インテルとミラン、同じミラノで暮らすエリクセンとケアーは家族ぐるみの付き合いだという。

ケアーは再開後の後半18分に交代した。デンマーク放送協会の公式サイトによると、ユルマン監督はこの交代の理由を「ケアーは、あの出来事で、非常に強い影響を受けた。続けてプレーすることさえ疑問だったが、挑戦した。そして、交代したが、それは十分に理解できることだ、感情的な部分で。2人は本当に仲がいいんだ」と主将の気持ちも、気遣った。