欧州リーグの予選プレーオフ第1戦が行われ、セルティック(スコットランド)が2-0でAZアルクマール(オランダ)を下し、本大会出場へ大きく前進した。移籍間もない日本代表FW古橋亨梧(26)が先制ゴールなど全得点に絡んで攻撃をけん引。J1神戸から移籍加入後、公式戦6戦6発と猛烈に存在感をアピールした。AZのDF菅原由勢(21)はフル出場。第2戦は26日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

クラブSNSなどで定番となりつつある「#KYOGOAL」がまたも飛び出した。前半12分。古橋はオーストラリア代表MFロギッチの左クロスに反応。ためらうことなくファーサイドに飛び込み、スライディング右足ボレーで先制点を決めた。

移籍後公式戦6戦6発となる会心の一撃に「古橋がまた輝いた」(ガーディアン電子版)「これが古橋の適応期間なら、最終的にどうなるか想像もできない」(デーリーレコード電子版)など、英メディアも絶賛の言葉を惜しまなかった。

後半16分には左サイドからペナルティーエリア中央のFWフォレストへパスを通した。同FWのシュートが相手DFに当たってゴールイン。このオウンゴールでセルティックは勝利を確実にした。古橋は後半30分、スタンドのファンからスタンディングオベーションを浴びながらベンチに退いた。

横浜を指揮していたポステコグルー監督も試合後「古橋は常に相手にとっての脅威になっていた」とたたえた。デーリーレコード電子版はこの試合の採点も発表。古橋にはチームトップタイの8点がついた。ツイッターなど、ネット上にはサポーターからの「中村俊輔以来、最高の契約」といった言葉も並ぶ。古橋はわずか数試合で地元メディア、ファンの心をわしづかみしたようだ。

◆セルティックでの古橋のゴール 移籍後2戦目で初先発となった5日の欧州リーグ予選3回戦ヤブロネツ(チェコ)戦で初先発初ゴールをマーク。続く移籍後3戦目の国内リーグ、ダンディー戦ではハットトリックの活躍でチームを6-0の勝利に導いた。15日のリーグ杯ハーツ戦、そしてこの日のAZ戦と公式戦2戦連発でチームを勝利に導いた。

◆セルティックでの中村俊輔 主力として128試合で29ゴールをマーク。現在でもヒーローとしてサポーターからの根強い人気を誇る。強烈な印象を残したのが06-07年シーズンの欧州CL1次リーグ。マンチェスターUとの2試合でFK弾を2発たたき込んでチームを決勝トーナメントに導いた。同シーズン、スコットランドのプロ選手協会による年間最優秀選手賞、ベストイレブン、同国サッカー記者協会MVPを受賞した。セルティック下部組織出身のアーセナルDFティアニーは少年時代に中村からスパイクをプレゼントされ、感激したことがあると話している。