元フランス代表DFのジャンピエール・アダン氏が39年間にも及ぶ昏睡(こんすい)状態の後、73歳で亡くなった。6日付英複数メディアが報じた。

アダン氏は1982年3月にリヨン市内の病院で膝の靱帯(じんたい)を修復する手術を受けたが、麻酔に関する医療ミスがあり、昏睡状態に陥った。

セネガル出身の同氏は、ニースで140試合以上に出場したほか、パリ・サンジェルマンでもプレーした。膝靱帯の手術を行った当時、同病院では多くの医療関係者がストライキに参加しており、1人の麻酔科医が8人の患者を診るような状態だった。アダン氏の状態を確認するために研修医がそばについていたが、同研修医は任せられた役割を果たせていなかったと手術の後にコメントしている。

麻酔科医と研修医の2人は多数のミスを犯しており、アダン氏は手術中に心不全に陥ったほか、脳にも損傷を負った。90年代半ばになりようやくアダン氏を診た2人の医師に処罰が下されることになり、1カ月の謹慎処分と750ユーロ(約9万7500円)の罰金の支払いが命じられた。アダン氏は15カ月後に退院し、妻ベルナデッタさんのいるニームの自宅で看病を受けていた。(A・アウグスティニャク通信員)