マジョルカがビルバオ戦を翌日に控えた10日、マジョルカの地元紙ウルティマ・オラ電子版が「マジョルカのアジアン・コネクション」と見出しを付け、日本代表MF久保建英(20)と韓国代表MF李康仁(イ・ガンイン=20)の初共演に大きな期待を寄せている。

久保は今季期限付き移籍でマジョルカに復帰した後、リーグ開幕からの3試合すべてに出場(先発2試合)している。一方、李康仁はバレンシア時代にリーグ戦通算62試合出場3得点という成績を残し、今夏の移籍市場終了前日の8月30日に完全移籍でマジョルカに加入した。

同紙は李康仁について「意欲を持ってマジョルカに入団し、練習の時から注目を浴びており、レギュラーの座を確保する準備ができている。2年前のU-20ワールドカップで最優秀選手に選ばれた彼のクオリティーの高さに疑いの余地はなく、先発選考でルイス・ガルシア監督を悩ませたいと思っている。監督は現在、ワントップのフェル・ニーニョの後ろに、久保、ダニ・ロドリゲス、ムバラを起用することに賭けているが、李康仁はその考えを変えさせ、自分の居場所を作ることを望んでいる」と言及した。

久保と李康仁の母国での現状については「アジアのサッカー界では2人に対する期待が非常に大きい。久保と李康仁はともにそれぞれの国でメディアのアイコンになっており、多くのファンを抱えている。さらにスポーツ面以外でも2人は多くのものをマジョルカに提供できる」と、商品価値の高い日韓のスターであることを強調。プレースタイルについては「両選手とも縦に強く、ラストパスに優れ、状況に応じてマジョルカを穴から救い出すことができる」と類似点がいくつもあると判断している。

続けて、李康仁がレギュラーになれるかについては「トレーニングでクラック(名手)の片りんを見せており、成長したいという願望がルイス・ガルシアに高く評価されているが、それを判断するのは常にピッチの上になるだろう」と分析した。

また同紙は2季前にも久保が韓国人選手と同じチームに所属したことを伝えている。それは2019-20シーズンの冬の移籍市場で奇誠庸(キ・ソンヨン)がマジョルカに加入した時のこと。しかし両選手の共演は1度もなかった。なぜなら奇誠庸がマジョルカで出場したのは、新型コロナウイルス感染拡大によるリーグ中断直前の2020年3月7日に行われたエイバル戦の1試合のみ。この時、先発出場の久保と後半36分に交代したため、2人が同じピッチに立つことはなかった。

そのため同紙は11日のビルバオ戦で、代表戦から戻ってきた久保と季の初共演に大きな期待を寄せている。(高橋智行通信員)