ベルギー1部シントトロイデンへの加入が決まったMF香川真司(32)の入団会見が11日に都内で行われた。スーツ姿で出席した香川は「何よりここでプレーしたいという気持ちになった」と決断の理由を語った。

昨季、JリーグにはFW大迫勇也(神戸)、DF酒井宏樹(浦和)、DF長友佑都(東京)といった日本代表組をはじめ、海外組がぞくぞくと国内復帰した。香川は「自分も正直考えるところはあった」と意識した部分はあったと明かしつつ「やはりヨーロッパでチャレンジしたいという気持ちが上回った」と語った。

海外生活も12年目になる。ブンデスリーガのドルトムントやプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドなど世界的強豪クラブでもプレーした。「どちらかというとうまくいかないこと、壁にぶつかることが大半だったが、その都度に乗り越えてきた。逆境が人を成長させる」と厳しい競争の世界に身を置いてきた経験から、ヨーロッパにとどまることを決めた。

昨年12月に前所属のギリシャ1部PAOKと双方合意の上で契約解除。試合に絡めなかった厳しいシーズンを過ごした。

「今の状況では終われない。悔しさを非常に感じている」と率直な思いも口にし、「この1年間が自分にとって大きな意味のある1年だったと、未来の自分が言えるようにしないといけない。また素晴らしいプレーヤーになれたんだと、それをピッチで証明しないといけない。簡単ではないが、それを日々のトレーニングから強く持ってやっていきたい」と強い思いを語った。

今年は11月にワールドカップ(W杯)カタール大会が開催される。日本代表への思いは変わっていない。

「2年間代表には絡んでいないが、思いは強いし、W杯イヤーでもある。そこの目標は常々持っている」

14年ブラジル大会、18年ロシア大会と2度のW杯を経験。この1年間のパフォーマンスがカギになることは経験から分かっている。

「自分自身に期待しているし、そこ(代表)に入ってもやっていけるというのは常にイメージしながらトレーニングしている。目指している場所」

長く日本代表を支え、引っ張ってきた。挑戦に飢える男の情熱が冷めることはない。