シュツットガルトの日本代表MF遠藤航(29)が、「LEGENDO」となった。

リーグ最終節・ケルン戦の1-1の後半ロスタイム。左CKにダイビングヘッドで決めた。今季4点目が、決勝点。キャプテン自ら、残留を決めた。個人としても2年連続でデュエル(ボール奪取)王にも輝き、充実のシーズンを終えた。

   ◇   ◇   ◇

遠藤はツイッターを更新した。「昨日家に帰ったら近所の子ども達が、僕の家の前に書いてくれました(原文まま)」。地面にチョークのようなもので「LEGENDO」と記された画像も載せて。「LEG」が赤文字、「ENDO」が白文字。伝説を意味する「LEGEND」に、「ENDO」を合わせた粋な演出。近所の子どもたちが、それほど興奮するのも無理はなかった。

ファンにとっては「LEGEND」級の存在だろう。リーグ最終節のケルン戦。1-1の後半ロスタイム。左CKにニアのDF伊藤が頭でそらし、ファーサイドの遠藤がダイビングヘッドを決めた。今季4点目の貴重な勝ち越し弾が決勝点。残留を争っていたヘルタ・ベルリンが逆転負け。シュツットガルトは勝ち点33で並び、得失点差で上回り、残留が決まった。立役者となったキャプテンは試合後、仲間たちから胴上げされた。「終わり良ければすべて良し。今シーズンも素晴らしいサポートありがとうございました! 本当に大変なシーズンでしたが、僕らはブンデスリーガに残留します」と感謝の言葉をつづった。

生きる伝説となりつつある。これでシーズンの全日程が終了。遠藤はデュエル勝利数で「448」回をマークし、昨年(476回)に続き、2年連続でデュエル王に輝いた。2位のフライブルクFWヘーラー(437回)に、大差をつける数字。日本の中盤を支えるデュエルキングが、カタールW杯本大会で同組となったドイツの地で成長を続ける。

◆デュエル フランス語で2者間の争い、決闘などの意味を持つ。サッカーでは、1対1でボールを奪い合う争奪戦をどれだけ制したかを示す数値として使われる。ドリブルに対する守備、ルーズボール、ヘディングでの競り合いなども対象になる。

◆遠藤航(えんどう・わたる)1993年(平5)2月9日、神奈川県生まれ。横浜市立南戸塚中のサッカー部から湘南ユースに進み、10年に2種登録でJリーグデビュー。11年にトップ昇格。16年から浦和でプレー。18年からシントトロイデンへ渡り、19年にシュツットガルトに期限付き移籍、20年に完全移籍。16、21年五輪代表、18年W杯メンバー。22年W杯予選も主力として本大会出場に貢献。国際Aマッチ37試合2得点。178センチ、76キロ。