【バルセロナ=高橋智行通信員】バルセロナがフランス代表FWウスマン・デンベレ(25)の決勝点で、レアル・ソシエダードを1-0と破り、4強入りを決めた。

バルセロナは後半7分、右サイドのデンベレがDFラインの裏にうまく抜け出し、スピードに乗ったドリブルでゴールに迫り、やや角度のないところからの強烈な右足のシュートでGKレミーロの手をはじき、これが決勝ゴールとなった。

殊勲のデンベレについて、シャビ監督は賛辞を惜しまなかった。

「彼は私が監督に就任してから大きく成長してきた。あのスピードは相手にとって致命的なものであり、彼は私にとって短剣のような存在だ。彼と対峙(たいじ)するサイドバックの顔を見ると苦しんでいる。我々はただ彼に自信を与え、大きな信頼を寄せている。今日は全てがうまくいったが、それは彼の下した判断が正しかったからだ」

17年夏に5年契約でバルセロナ入りしたデンベレは、昨季前半までは期待に沿うような活躍を見せられず、22年夏での放出が決定的だった。だが21年11月にシャビ監督が就任すると、持ち前の高いポテンシャルを発揮し、完全によみがえり、ワールドカップ(W杯)カタール大会でもフランス代表のレギュラーとして活躍した。

シャビ監督は「世界最高のウイング」と厚い信頼を寄せ、「スペースでプレーできるツールをたくさん与えている」。現役時代は希代のパサーとして名をはせたシャビ監督だけに、快足ウインガーを生かすすべをたくさん持っているようだ。