サッカーの欧州リーグ決勝でセビリア(スペイン)に敗れたローマのジョゼ・モウリーニョ監督(60)が、試合終了後にピッチから去る際に銀メダルをスタンドの少年ファンに投げ入れ、話題となっている。

5月31日にブダペストで行われた試合で、延長を1-1で終え、迎えたPK戦で1-4と敗れ、初優勝はならなかった。モウリーニョ監督にとっては欧州カップ戦で6度目の決勝となったが、初めての敗北だった。

ピッチから去る際に通路付近のスタンドの最前列に歩み寄り、首から外したメダルを手に群衆を見やった。目の前に眼鏡をかけた少年の姿を見つけると、そこに向けて下から優しくスローイン。少年がしっかりキャッチしたのを確認すると、そのまま通路へと消えていった。周囲の観衆からは拍手が起きた。

モウリーニョ監督が手にしたメダルをスタンドへ投げ入れることはしばしばある。チェルシー時代にプレミアリーグを連覇した際にも「もう持っているから」との理由で、優勝メダルをスタンドのファンに向けてプレゼントした。

投げ入れる映像は世界中に拡散されており、敗れてなお、自らを「スペシャルワン(特別な存在)」と称する名将の振る舞いがクローズアップされた。