【サン・セバスティアン=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードとビルバオがレアレ・アレーナで行われたスペインリーグ第8節で今季最初のバスクダービーを戦った。

ホームのRソシエダードは平日開催の前節バレンシア戦で7人もの大幅なローテーションを実施。今季初の2連勝を達成し6位に浮上した。アルグアシル監督は今節、戦力を戻して4-3-3で臨み、久保建英は2試合ぶりに先発復帰し、定位置の右ウイングに入った。

ビルバオは前節ヘタフェ戦に引き分け、ここ6戦負けなしで欧州チャンピオンズリーグ圏内4位と好調を維持。トップ下のサンセットを出場停止で欠いた一方、けがが回復したニコ・ウィリアムズがスタメンに戻ってきた。

今季最初のバスクダービーとあり、Rソシエダードサポーターは試合前から大興奮。会場全体をチームカラーの青と白のモザイクで彩り、バックスタンドに大きく「REAL」の文字が浮かび上がった。

欧州チャンピンズリーグ出場権の順位を2チームは序盤、Rソシエダードがボールを支配した。久保が序盤から存在感を発揮してスルーパスを次々と狙い、19分に放ったシュートは惜しくもDFに阻止された。

25分にここのところフィジカル面にずっと問題を抱えていたティアニーが負傷交代を余儀なくされたが、その次のチャンスでRソシエダードがリードを奪う。

30分、ブライス・メンデスが左サイドからゴール前に入れたFKをビルバオDFがクリアに失敗。そのルーズボールをル・ノルマンが蹴り込み先制に成功した。

その後、ビルバオに決定的チャンスが訪れる。しかし35分に弟ニコ・ウィリアムズのクロスを兄イニャキ・ウィリアムズがゴール前で合わせるが枠に飛ばせなかった。

Rソシエダードは前半、ゲームをうまくコントロールしてリードを奪い、相手の枠内シュートを0本に抑えた。

後半開始直後はビルバオが有利に試合を進め、2分にイニャキ・ウィリアムズがシュートを打つがわずかに枠外。この1分後、Rソシエダードが素早いカウンターを仕掛け、ブライス・メンデスが左サイドから入れたグラウンダーのクロスをサディクが触って外に流れた後、フリーの久保が左足ダイレクトで合わせて追加点を記録した。

2点を追うビルバオが激しくプレーしてきたことでボール支配率が拮抗するも、Rソシエダードは21分、スビメンディのスルーパスでDFライン裏に抜け出したオヤルサバルがGKをかわして落ち着いて決め3点差にした。

大きなアドバンテージを手に入れたRソシエダードはその後、相手に決定機をほとんど作らせることなく2試合連続のクリーンシートを達成し、3-0で快勝した。

Rソシエダードは今季初の3連勝で勝ち点を15に伸ばし、ビルバオを抜いて暫定ながら欧州チャンピオンズリーグ出場権内の4位に浮上した。

アルグアシル監督は試合後の会見でも意気揚々。「チャンスを8回作っても決めなければ何の意味もない。重要なのは決定機を生み出し、それを正確に行うことだ。そして今日、我々はとても良かった。相手よりも多くのチャンスを作り、それをものにしたからだ。我々は得点するのに十分なチャンスを作れたし、精度が高かった。3-0という結果は妥当だったと思う」とコメントし、選手たちをたたえた。