レアル・マドリードに来夏「ガラクティコ(銀河系の選手)」を獲得する資金が十分あることをスペイン紙アスが23日に報じた。

Rマドリードでは来季に向け、パリ・サンジェルマンのフランス代表FWエムバペやマンチェスター・シティーのノルウェー代表FWハーランドといったスター選手が獲得候補に挙がっている。このような選手と契約を結ぶ場合、当然のことながら莫大な資金が必要になるが、同紙によると大きな問題はないとのことだ。

クラブが最近公表した会計によると、流動資産(短期間で現金化できる資産)が1億2800万ユーロ(約198億4000万円)あることに加え、必要に応じて2億6500万ユーロ(約410億7500万円)の融資を受けられる状態にあるという。

さらに現在改修中のスタジアム運営による収入が、昨季の1億5100万ユーロ(約234億500万円)から3億1700万ユーロ(約491億3500万円)へと、1億6600万ユーロ(約257億3000万円)増加されることが見込まれている。

また、Rマドリードはコストカットもうまく行っている。トップチームの人件費に関して、昨季は4億400万ユーロ(約626億6000万円)だったが、今季はベンゼマ、アザール、アセンシオなどが退団したことにより3億2600万ユーロ(約505億3000万円)と、7800万ユーロ(約120億9000万円)も削減した。

これにより、「総人件費が総収入の70%を超えてはいけない」というECA(欧州クラブ協会)の、各クラブに対する経済面の健全性を測るバロメーターを大きく下回ることに成功している。

昨季は総収入が7億1200万ユーロ(約1103億6000万円)だったのに対し、人件費は5億1900万ユーロ(約804億4500万円)と、ECAの基準を上回る72%だった。

一方、最近承認された今季の決算では、総収入が17%増の8億4300万ユーロ(約1306億6500万円)に対し、人件費が4億5200万ユーロ(約700億6000万円)と、ECAの基準を大幅に下回る54%となっている。

コロナ禍以降、スペインリーグの中でも特に健全経営を維持してきたRマドリードは、依然としてその姿勢を貫いており、今季終了後の総収入が9億3900万ユーロ(約1455億4500万円)になると見込まれている。このような状況を踏まえアス紙は、エムバペやハーランドといった来季の大物獲りに向けて、資金面で大きな障害はないと判断しているのだ。(高橋智行通信員)