アーセナルで大活躍した元フランス代表FWティエリ・アンリ氏(46)が、現役からは慢性的なうつ病を患っていたことを明かした。

世界的な人気クラブ「ガナーズ」で377試合に出場し、クラブ記録となる228得点を挙げたレジェンド・ストライカー。フランス代表でも歴代2位の51得点を記録し、1998年ワールドカップ(W杯)2000年の欧州選手権で優勝している。

アンリ氏は「キャリアを通して、そして生まれてからずっと、僕は鬱の中にいたに違いない」とインターネット上のメディア、ポッドキャストの「ダイアリー・オブ・ア・CEO」に語った。

新型コロナウイルスが蔓延した初期は「毎日のように泣いていた」という。若い頃から「歩き続けろ、足を出したら、もう一方の足を前に出す。そう教えられてきた。だがコロナですべてが止まり、歩くのを辞めた時、自分は常にうつの中にいたことに気づいた」と話した。そこには父親の存在があると説明している。

「父は僕のパフォーマンスに批判的だった。僕が選手としてどうあるべきか。小さい頃はいつも、お前はうまくプレーができないと言われた。だから、その言葉を耳にすることが多くなってくると、それがトラウマとなっていつまでも心に残ってしまうんだ」

スーパースターの思いがけぬ告白。子どものサッカーに熱心に関わる親たちには、気にしてほしい発言だろう。

アンリ氏はベルギー代表のコーチを務め、22年ワールドカップ(W杯)カタール大会終了後に退任。昨年夏からはU-21フランス代表監督を務めている。