日本代表MF南野拓実(29)がAFCアジアカップ(アジア杯)後24時間経たずにフランスリーグのモナコ戦に途中出場したことが、論争を巻き起こしている。6日フランス紙レキップが報じた。

同紙は「南野拓実は、今週末、非常に稀な経験をした。」とし、「24時間で、カタールで開催されたアジア杯準決勝戦(イラン戦、1-2で敗北)とモナコのリーグ戦対ルアーブル(1-1)、各試合約20分出場した2試合の間で、5000 kmと7時間の飛行機移動をした。彼の2日間でのハイレベルな2試合への出場は、無理解のコメントをかき立てており、選手たちが直面するすさまじいリズムについての論争に再び火をつけた」と伝えた。

この論争に対してモナコのヒュッター監督は「本人がメンバーに入りたいと希望した」と断言しながらこの29試合のFWの出場を説明していた、と同紙は付け加えた。

同紙は「FIFAの規則では、同じ大会の2試合間で、最低48時間の猶予が定められている。フランスでは、フランス連盟の規定第118条と151条においてこの措置が見られるが、クラブの大会(試合)の選手たちの参加のみを対象としている。しかしながら代表の試合後のクラブの試合に関しては何も明記されていない。」と分析した。

あるプロサッカー専門ドクターはレキップ紙に見解を示している。「彼(南野)がモナコの試合に出場したのを見たときには驚いた。規則については、テニスラケットに穴があるようなもの。あとは、けがのリスクがあるという科学的データはない。ハンドボールやバスケットボールでは、立て続けに試合に出て、試合間が近すぎるとプレーをしてはならないと彼らに言ったら笑われるかもしれない。リスクはおそらく中期的な期間で高まる恐れがある。しかし南野は、メディカルスタッフが、今週彼のワークチャージ、回復、食事をしっかり管理するクラブでプレーしている。もし彼がこの面であまり優良でないクラブにいたら、(けがの)リスクはあったかもしれない」。

さらにレキップ紙は「メディカル面で、この立て続けの出場はあまり問題視されていないように思われるが、代表選手たちの試合の増加に関するテーマを時事問題に戻した」と指摘した。「フランスで選手の労働組合であるUNFP(フランスプロサッカー選手協会)の現会長で、元FIFPRO(国際プロサッカー選手会)フィリップ・ピアト氏は、日本人に起こったことを遺憾に思っている」と報じた。同氏が「これはデモンストレーションだ。たとえこれがまだ例外的だとしてもね。決定機関の幹部らはこれに対して何もすることはできない。今年はオリンピック(五輪)、来年はアメリカ合衆国で開催されるクラブW杯、2026年は北米のW杯がある。よって3年間バカンスがない、あるいは非常に少ない選手たちも出てくるだろう。徐々に常に少しずつ減っていって、最後はアベレーション(錯誤、逸脱行為)となる」と表明した、と伝えた。(松本愛香通信員)