米メジャーリーグサッカー(MLS)インテル・マイアミの共同オーナーを務める元イングランド代表MFデビッド・ベッカム氏(48)は、カタールにいた。日本での会見を“ドタキャン”していたが、その姿は、韓国(FIFAランキング23位)とヨルダン(同87位)が決勝進出を懸けて争い、ヨルダンが2-0で韓国を破ったスタジアムのVIP席にあった。

この日は、東京で7日に開催するヴィッセル神戸との親善試合(国立競技場)に向けて、都内で前日記者会見に出席するはずだった。案内状にはベッカム氏、マルティーノ監督、ブスケツ、アルバ、スアレスが登壇予定者として名を連ねていたが、開始直前に急きょ欠席とアナウンスされ、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(36)1人だけの出席になっていた。

ベッカム氏を巡っては4日、香港での試合をメッシが欠場したことで激しい批判を浴びていた。チケットが880香港ドル(約1万6720円)~4880香港ドル(9万2720円)という高額、かつ3万8000人ものファンが観戦した中、メッシが最低45分間は出場する契約を全うできなかった。

メッシがサウジアラビアでの試合で内転筋に違和感を覚えたためで、不可抗力とはいえ、約束をほごにされた観客からはベッカム氏ら経営陣に「金返せ!」と罵声が飛び「返金!返金!返金!」コールも起きていた。メッシの出場を条件に補助金を助成していた政府も「失望している」と声明を出したほどの騒ぎだった。

その渦中、都内での会見も直前にキャンセル。再び物議をかもしていたが、来日すらしていなかったことで、収まらぬ批判の火に油を注ぐことになるかもしれない。

インテル・マイアミと神戸の一戦は7日午後7時から始まるが、国立に姿を見せるのか。ドーハから東京は直行便で最短9時間40分。アジア杯の準決勝がキックオフされてから19時間しかなく、終了後にカタール航空へ飛び乗ったとしても、千葉・成田空港に着くのは定刻で7日の午後5時55分となる。

しかし、これは定期便の話。プライベートジェットで自在に世界を飛び回るレジェンドなら、余裕で間に合う算段なのか。メッシの出場可否とともに、ベッカム氏の動向も注目される。