英国ではサッカーのことを「フットボール」と言い、「サッカー」は米国やカナダだけで使われている英語だと思っているファンは多いだろう。

英BBCは25日に「なぜ米国とカナダでフットボールはサッカーと呼ばれているのか」との記事をアップ。実は「サッカー」が英国発の言葉だと説明している。

記事によると、1960年代から70年代にかけて英国で育った、現ミシガン大名誉教授のステファン・シマンスキー氏は「私がイギリスで子供だった頃、『サッカー』という言葉は完全に受け入れられていました」と、回想しているという。

同氏は現代における「フットボール」対「サッカー」の論争を不思議に感じているそうで「私は(英国の)友人たちに聞きました。『覚えてる? もしかしたら私の記憶違いかもしれないけど、昔これが問題になったことってあったっけ?』と。その結果、得られた共通認識は1970年代にはその言葉(サッカー)に何の問題もなかったようだ、というものでした」と話し、1970年代の英国では「サッカー」という言葉も普通に受け入れられていたと説明している。

シマンスキー氏の研究によると、1863年に英国でフットボール・アソシエーション(FA)を設立した人々は、エリート・パブリックスクールに通っていたオックスフォード大学の卒業生たちで、FAのルールの下で行われる試合は「アソシエーション・フットボール」(現在のサッカー)として知られるようになったのだという。そして、もう1つの人気スポーツ、ラグビー・フットボールと区別されるようになった。

1880年代から1890年代にかけて、裕福な大学生の間では、言葉を短縮して語尾に「er」を付け、一種のスラングを作る習慣があり、「breakfast(朝食)」は「brekker(ブレッカー)」、ラグビーは「rugger(ラガー)」と呼ばれることもあった。

シマンスキー氏は、有力な説として「独創的な学生たちが『アソシエーション(association)』の真ん中から『soc』を取り出し、『er』を加えて『soccer』を作り出したようです」と説明した。

「もちろん、はっきりとしたことは誰にもわかりませんが、オックスフォード発祥であることは確実視されています。そこでの学生たちによって作られた言葉であることを裏付ける多くの文献が残っています」。

スポーツ歴史家のアンディ・ミッチェル氏は、1885年後半に英国の異なる地域の学校雑誌に「soccer」または「socker」という言葉が登場した例を少なくとも3つ指摘している。

時が経つにつれて「socker」の表記は使われなくなり、「soccer」が残ったようだ。

この言葉は、サッカー自体が普及していくのと同時期に他の大陸へと伝わり始め、現在では米国、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、カナダなどで「サッカー」がよく使われている。米国では「フットボール」はアメリカン・フットボールを指す。

シマンスキー氏らの分析によると、英国の新聞は「フットボール」を好んだものの、1980年代に入るまで「サッカー」も使い続けていたという。しかし時が経つにつれ、「フットボール」が主流となった。

シマンスキー氏が大学で授業をする際にもこの2つの言葉が話題に上るそうだ。「米国人がよくやるのは、『サッカー』という言葉を使ったときに、『ごめんなさい、フットボールのことです』と(英国人に)謝ることです。英国人がこの言葉に敏感だと思っているからです」。

同氏は「彼らの考えは正しいです。実際に気にする人もいますから」と言いつつも「彼らが謝るのはとても丁寧なことだと思いますが、私はこう伝えています。『これは(イギリス発祥の)英語なのだから、遠慮せずに使っていいんだよ』」とも話している。

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