【ボストン9日(日本時間10日)=佐藤隆志】フランス(FIFAランキング3位)がFWキリアン・エムバペ(27=Rマドリード)とFWウスマン・デンベレ(29=パリSG)ゴールでモロッコ(同7位)に2-0で快勝し、3大会連続の4強進出を決めた。エムバペは史上最年少の27歳201日で20試合に到達し、通算得点も20の大台に乗せた。今大会8点目で再びアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに並び、優勝争いとともに得点王争いも激しさを増している。
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新旧のヒットマンが猛威をふるう。メッシが決めれば、エムバペも黙っていない。この日のえじきは前回準決勝で対戦したモロッコだった。後半15分、FWドゥエが残したボールを拾った。得意のゴール前左の位置。コースを素早く消したモロッコDFディオプだが、そこは役者が違った。すかさず右足を振り抜く。ゴール右ポスト際へ正確なシュートを打ち込んだ。
今大会8点目、再びメッシに並んだ。しかもW杯通算20試合目。27歳201日での到達は、1982年スペイン大会のポーランドDFブワディスワフ・ジュムダの28歳34日を抜いて史上最年少。通算ゴール数も20点の大台に乗せ、こちらもメッシに1差と迫った。
後半30分すぎ、エムバペはピッチ中央に座り込んだ。足を痛めた様子で自ら交代を訴えた。それでも周囲の心配をよそに、しっかりとした足取りでベンチへ下がった。会場からはスタンディングオベーションが起き、笑顔で両手を振った。
エムバペは「ミッションかどうかわからないが、とにかくみんなで勝とうとした。4強に勝ち上がるのはいつだって素晴らしいし、うれしい。対戦相手よりも自分たちが集中力を保ち、どう準備するかに専念している」。交代については「足首を打撲したけど大丈夫」。また、前半28分にPKを失敗した場面は「ボールをセットして蹴ろうとした時に、主審がまだPKではない。確認することがあるって言われて訳が分からなくなった」。待たされてタイミングが狂い、蹴ったコースも甘くなった。
相手チームから警戒されながら、なぜここまで得点を量産できるものなのか。エムバペは言う。「恐怖や不安を抱いていてもゴールは生まれない。それらは感情に過ぎず、試合に勝つ助けにはならない。だからこそ、自信を持ってピッチに立つ必要がある」。技術と心身の両輪において脂が乗っている。そんな絶対エースに対してデンベレは「彼は我々のキャプテンであり、素晴らしい精神力を持っている。もっとゴールを期待している」と話した。
16強のパラグアイ戦後、敗れた腹いせから同国の女性上院議員から人種差別的なメッセージを投稿された。それに対しXで激しく反論。思わぬ場外バトルが勃発し、フランス連盟の相談を受けて同国検察当局が捜査に乗り出す事態へと発展した。それも裏を返せば、エムバペのヒットマンぶりのすごさの裏返しだ。
「まだ準決勝が目の前にあるし、まだ道のりは長い。だけどどんな困難にも立ち向かう覚悟はできてる」。残り2試合、エムバペがさらに勢いを加速させる。


