[ 2014年2月15日19時53分 ]公式練習を行うボブスレー男子2人乗りのジャマイカチーム(AP=共同)

 映画「クール・ランニング」で脚光を浴びたジャマイカのボブスレー代表が16日(日本時間17日未明)の男子2人乗りに登場する。2002年ソルトレークシティー冬季五輪以来3大会ぶりの出場だ。そりを操るウィンストン・ワッツは「たとえ僕らの国では氷は冷蔵庫の中にしかなくても五輪は国にとって大きな意味を持つ。スイスやドイツの選手と同じぐらい真剣」と意欲を見せた。

 開幕前から話題を提供した。出場枠を獲得したが、旅費の工面に見通しが立たず、寄付を募った。知名度の高さもあって約1800万円が集まってソチ入り。しかし荷物の到着遅れですぐには練習できなかった。さらに荷物を検査した係員がプロテインの容器のふたを閉め忘れ、ヘルメットは粉まみれに…。

 母国には世界最速の陸上選手、ウサイン・ボルトがおり、ワッツはAP通信に「彼と組めるなら最高だ。そりを押す役として最適だろうが、寒さを好む人間ではないからね」と軽口も。前回4人乗りを制した米国のスティーブン・ホルコムは「彼らは実によく練習していた。五輪に出るのは簡単じゃない」と一目置き、カナダは練習施設の使用で協力した。

 カリブ海に浮かぶ島国から「氷上のF1」と呼ばれる戦いへ。15日は最後の公式練習で25チーム中22位(日本は24位)だった。4度目の五輪となる46歳のワッツは「下馬評は低いが、われわれにはハングリー精神がある」と闘争心をみなぎらせた。