[ 2014年2月13日9時36分

 紙面から ]<ソチ五輪:ノルディック複合>◇12日◇個人ノーマルヒル

 3大会連続出場の渡部暁斗(25=北野建設)が銀メダルを獲得した。

 長期育成が実った銀メダルだった。98年長野五輪でメダルなしに終わってから長い低迷期に入ったが、複合は底辺拡大のために若手育成に力をいれてきた。W杯より格下の世界大会に若手を次々と送り込んだ。

 渡部暁斗(25=北野建設)もその1人。下部大会とはいえ、若手の頃から世界を体感することで、高い意識が芽生える。そこで力をつけ結果を出し、全日本メンバーへと昇格していった。成田収平監督は「自分ではい上がって得た権利だから自信がつく。特に走力は地道な積み重ねからなるもの。世界を知ることが大事」と狙いを話した。

 過去五輪や世界大会にも若手枠を作り、多くの経験を積ませた。渡部暁は長野・白馬高2年時に06年トリノ大会の代表メンバーに抜てきされた。現在、W杯メンバーには、五輪代表に選ばれなかったとはいえ、山元、渡部の若手2人が代表5人の中に交じり世界を転戦している。

 低迷し、強化費が減少してもジュニアの育成費を削ることはほとんどしなかった。徹底した強化方針がこの日のメダルにつながったと言える。成田監督は「長期で育成計画を立て進めてきた。チーム内に競争が生まれ全体的にレベルアップできたのが良かった」と成果を口にした。