[ 2014年2月6日8時21分

 紙面から ]

 初代女王へ強力「援軍」だ。ノルディックスキー・ジャンプ女子の金メダル候補、高梨沙羅(17=クラレ)の最終調整に合わせ、父寛也さん(46)が7日にソチ入りすることが5日、分かった。11日の決戦前に、全幅の信頼を置く父から直接アドバイスを受けられることは何よりの力になる。

 4日早朝にソチ入りした高梨は8日の公式練習から現地でのジャンプ練習を行う。それに合わせ寛也さんが現地入り。父の宿泊先は街にある黒海近くのホテルだが、愛娘のため本番前までの3日間、毎日、ジャンプ台のあるルスキエゴルキ・センターまで1時間半かけて通う。チーム関係者ではないため行動範囲は制限されるものの、可能な限りバックアップする。

 高梨が初めて小さなコブをジャンプ台に見立てて飛んだ小2の時、怖がる背中をそっと押してくれたのが父。あれから約10年、何百回と飛んだジャンプを見続けてくれた。海外遠征中でも調子が狂えば、父に電話する。「父は私のジャンプのすべてを知っている」と揺るぎない信頼感がある。

 今季W杯で13戦10勝を挙げ金メダル候補。本人は「注目されているということなのでうれしい」と話すが、初五輪の重圧が、知らずのうちにのしかかってくるとも限らない。そんな時、父の存在が安心感につながる。7日の開会式出席を断念し、競技集中も決めている。父と二人三脚で歩いた道は、きっと悲願に続いている。【松末守司】