<アジア大会:ソフトボール>◇第14日◇2日◇韓国・仁川

 ソフトボールで日本が初の4連覇を飾った。決勝で台湾に6-0で快勝。先発の上野由岐子投手(32=ルネサスエレクトロニクス高崎)が6回無失点、最終7回を次世代エース藤田倭(やまと、23=太陽誘電)が抑えた。20年東京五輪での野球・ソフトボール競技復活へ、世界選手権2連覇に続く優勝でアピールした。

 前人未到のV4が決まると、マウンドに歓喜の輪ができた。最終回を藤田に譲っていた上野は、二ゴロに打ち取る姿を見届け、ゆっくり歩み寄る。笑顔で、指を突き上げて喜ぶ仲間に身を預けた。「ホッとしました。世界王者として、アジアでは絶対に落とせなかった」。8月の世界選手権で初の連覇。世界一の貫禄を今大会7戦全勝で示した。

 台湾とは予選リーグ、準決勝に続く3度目の対戦だった。上野は直球、チェンジアップ、シュートを織り交ぜて凡打の山を築く。5回1死一塁ではギアを入れた。2者連続空振り三振。6回2安打7三振の無失点で台湾を返り討ちにした。

 五輪種目復活へ、表彰式で野球・ソフトボールの20年東京五輪での復帰を願う横断幕を掲げた。選手の発案で銀メダルの台湾、銅の中国も加わって記念撮影。「みんな同じ気持ちなんです」と上野。復帰の方向性が固まるとされる、12月の国際オリンピック委員会(IOC)臨時総会へアジア一丸のメッセージだった。

 復活を前提に、東京五輪で結果を出すため世代交代も図った。23歳藤田が最多の5試合に登板し、24歳の山根投手も上野に次ぐ2勝をマーク。22歳のDH市口は打率6割6分7厘で首位打者に輝いた。その中で、やはり目立ったのは上野だった。最多勝(3勝)最優秀防御率(0・00)最多奪三振(23個)の3冠を達成し「復帰が決まるまで、ソフトの楽しさを伝えられるようプレーしていく」。その日まで上野は日本の旗頭であり続ける。【木下淳】