男子は、秋田工が2時間6分53秒のコースレコードで3年連続21度目の優勝を飾った。昨年、全国4位入賞を経験しているチームリーダー松尾淳之介(3年)が1区から流れを作り、7人全員が区間賞を獲得する完全Vで、都大路に名乗りを上げた。女子は、花輪が1時間13分55秒で4年連続9度目の全国出場を決めた。

 秋田工が昨年の優勝タイムを16秒短縮する2年連続のコース新で、3連覇を達成した。あまりの速さに運営側も驚いた? のか、ゴールテープの文字が逆さまになるハプニングの中、7区のアンカー石垣陽介(3年)が冷静にゴール。目標達成を確認すると「先輩たちの記録を超えられた」と仲間たちと喜びを分かち合った。

 それぞれが復活劇を演じた。昨年の都大路は県高校新で東北勢最高の4位に輝いた。松尾に加えて3区斎藤椋(2年)、4位安藤駿(3年)と全国出走メンバー3人が残る。だが、今秋までチームは順風満帆とはいかなかった。松尾は5月下旬に右すねを疲労骨折。県高校総体5000メートル決勝は途中棄権し、目標だった全国総体出場を逃した。

 リハビリ中は、水泳部顔負けの自由形50メートル×10本のインターバル練習で肺活量を維持。この日は最長10キロの1区で、2列目後方スタートから首位を奪い、30分5秒の区間賞。2位に55秒差をつけてタスキをつないだ。昨年まで都大路で連続3区の松尾は「(全国で)1区を走りたかった。設定タイムに届かなかったのは課題」と5秒遅れを反省した。

 肺炎で今月の国体5000メートル出場を棒に振った斎藤と、6月下旬に股関節を疲労骨折した石垣もそれぞれ、完全復活をアピール。今年のチームスローガンは「去年の先輩方と自分たちを超えろ」。松尾は「タイムにはこだわって、全国上位で戦えるようにしたい」と昨年に続く県高校記録更新に意欲を見せた。【佐々木雄高】