うそ~まさかの勘違い!? 川内優輝(29=埼玉県庁)が来夏の世界選手権の代表選考を兼ねた福岡国際マラソン(来月4日)を欠場し、東京マラソン(来年2月)にスライド出場する可能性が出てきた。

 ゴールから約4時間30分。川内は目を丸くして、驚いた。「えっ!? そうなんですか!? ありがとうございます」。実は、ある「勘違い」が発覚していた。

 その4時間前。ゴール直後の川内の表情は晴れなかった。タイムは1時間33分26秒。12日の練習で右足ふくらはぎを痛めており、ジョギング程度のスピードでしか、走れなかった。「スピード出すと痛みが出る(福岡国際は)先頭での勝負は難しい。かなりヤバいです。2週間しかないですから」と意気消沈した。

 日本陸連の代表選手選考要項には「定められた期日での調整能力を重視するため、初回の選考競技会の成績と競技内容を評価する」とある。川内はすでに福岡国際にエントリーが完了しており、最初の世界選手権の選考レースである福岡国際を欠場すれば大きなマイナスと認識。満身創痍(そうい)の状態だが、「出なくても選ばれないだったら、出た方がゼロコンマ何%でも可能性がある。出なかったら終わり」と、強行出場の決意を語っていた。

 しかしその後、日本陸連の関係者が「スタートラインに立たなければ(世界選手権の選考レースに出たことに)カウントされない」と言及。実は欠場しても、評価対象外だった。

 まさかの「勘違い」を伝え聞いた川内は「福岡国際に向けて、まずは出ることにベストを尽くしますが、けがの状態を見てからスライドも」と、福岡国際の欠場も選択肢に入れた。結論は、けがの経過を見てから下すが、「スライドするなら東京マラソンですね。強いメンバーで結果を残せば、大きなアピールになるのは間違いないので」と話した。