決勝進出8人中4人を東北勢で占めた女子100メートル障害は、佐藤和(のどか=山形・米沢興譲館3年)が14秒01で2位入賞を決めた。地元開催と重なった最初で最後の全国高校総体で結果を出した。3位に茨木凜(同・九里学園2年)、4位に及川優花(宮城・柴田2年)、7位に阪希望(山形中央1年)が続いた。

 佐藤は予選4組、準決勝2組ともに1位通過。準決勝では13秒80の自己ベストをマークしたが「優勝と13秒前半を目標にしていたので…」と喜びよりも悔しさをにじませた。昨春はジュニア代表候補合宿で右足の脛骨(けいこつ)を痛めた。そこから1年を棒に振り今春ようやくレースに復帰。完全にレース感を取り戻せなかった県大会、東北大会ともに3位。下級生に優勝を奪われる状況に耐えながら、「勝負は全国」と、ここにピークを合わせた。

 7レーンスタートの決勝は、優勝した6レーンの吉田唯莉(石川・小松商3年)と並走。得意のスタートで出遅れ、「前に出られて動揺してペースが崩れ、自分のハードリングができなかった」と悔やんだ。だが、年下の東北勢3人に先着。3年生の意地を示した。

 東北屈指の進学校で、来春は地元国立大への進学を考えている。これから受験勉強に専念する若きハードラーは「体は動かし続けたい。将来は日本人初の12秒台を出したい。東京五輪は絶対に出たい」と高い目標に向かい、ハードルを跳び越えていく。【佐々木雄高】

 ◆佐藤和(さとう・のどか)1999年(平11)11月26日、山形・南陽市生まれ。宮内小5年冬から小枝アスリートクラブで陸上を始め、100メートル障害で6年時に全国4位。宮内中ではジュニア五輪に連続出場し、1年時は走り幅跳び4位、2年時は100メートル障害2位。米沢興譲館では1年秋の国体100メートル障害(少年B)3位。家族は両親、兄。159センチ、51キロ。血液型O。