「最強の公務員ランナー」が転身する。日本勢では31年ぶりにボストンマラソンを制した川内優輝(31=埼玉県庁)が19日、来年4月からプロとなる意向を表明した。米国から到着した成田空港で関係者も驚く電撃発言。県庁を退職して「マラソンに人生をささげる」環境をつくり、13年の自己記録2時間8分14秒を更新し、世界での活躍を目指す。出場を否定していた20年東京五輪の挑戦にも含みを持たせた。

<川内優輝の“事件簿”>

 ◆12年2月 丸刈り謝罪 12年ロンドン・オリンピック選考会で14位と惨敗し、一夜明け「五厘」刈りで会見。「期待に応えられず、誠意を示したかった」「さらし者になった方がいい」

 ◆13年1月 パスポート忘れ エジプト国際に出発する成田空港で自宅にパスポートを忘れたことが発覚。エジプト政府の招きによる出場で当初は無料だったが自腹を切る羽目に。レースは2時間12分24秒の大会新記録でV。

 ◆14年9月 トレイルランで遭難 奥多摩、秩父付近の山でトレーニング中に道に迷う。崖から転落しそうになったり、動物に襲われる恐怖もあった。“生還”後は生きる幸せを実感。

 ◆16年12月 福岡国際の激走 レース3週間前に右ふくらはぎを痛め、レース2日前には左足首捻挫。世界選手権の代表選考を兼ねており、周囲から辞退を勧められるも強行出場。2時間9分11秒の日本人最高の3位となり歓喜の涙。

 ◆18年1月 極寒マラソン完走でギネス ボストン近郊でのレースは気温氷点下17度と極寒だったが、2時間18分59秒で完走。「2時間20分以内における最多完走数」が78回となりギネス世界記録に。3月に認定証を授与された。