2区から5区で区間新記録が誕生する歴史的な高速駅伝となった。区間賞を獲得した5選手に共通するのは、ナイキ社の厚底シューズ「ヴェイパーフライ」シリーズを履いていたこと。青学大の往路優勝記録は、17年のコース変更前も含めて大会新だった。

1区で日本人歴代2位タイを出した創価大の米満は「自分が出した記録はあまり気にしていません」と言う。その理由は「靴の影響もあると思う。足が最後まで残った。衝撃を吸収してくれるので、直接筋肉にダメージがなく、最後までフォームが崩れなかった」。そう効果を実感する。戦略の見直しも必要になるかもしれない。順大の長門監督は「シューズの影響もあるのかな。もうちょっと攻めればよかった。集団がハイペースで落ちてくるかと思ったが…」と悔やんだ。

厚底の中に反発力のあるスプーン状のカーボンファイバープレートが組み込まれ、これが大きな推進力を生むナイキのシューズ。今大会では出場の約8割の選手が使用していた。もちろん選手の努力があってのもので、ギアが高速化の直接的な因果関係とは断言できないが、記録を後押ししていることは間違いなさそうだ。【上田悠太】