男子マラソンの東京オリンピック(五輪)代表に決まっている中村匠吾(27=富士通)が4日、米アルバカーキ合宿へ出発した。

次戦は3月29日の世界ハーフマラソン選手権(ポーランド)となる。そこに向けて同じ富士通の鈴木健吾(24)、下史典(23)、駒大の後輩である田沢廉(19)と一緒に練習を行う。「世界ハーフに向けてのスピード強化、東京オリンピックに向けてのマラソンの下地作りをバランスよくスケジュールに入れながら、練習を消化できたらいい」と語った。

世界ハーフマラソン選手権では日本代表として戦う。ユニホームも代表のものを着用。オリンピックの重圧とは比べものにならないが、貴重な「世界大会」の空気を感じる機会となる。「世界大会の雰囲気を味わって、次につなげられたら」。14年大会は28位、16年大会は29位。今回は3度目の出場となる。「順位を狙う試合。少しでも上位に食い込めるように」と力を込めた。

世界陸連は1月31日、シューズに関する新ルールを発表した。ナイキの「厚底シューズ」が規制される可能性があるとも報じられたが、現モデルは今後も使用できるようになった。自身も「厚底シューズ」を愛用している。

「ルールでしっかり使用できることになった。今のシューズは非常に合っている。引き続き使っていけたら」。

昨年9月15日のマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)の王者、そして日本代表としての自覚はモチベーションに変わっている。2日にも小椋裕介(26=ヤクルト)が丸亀国際ハーフマラソンで1時間0分0秒の日本新記録を樹立したばかりだ。

「オリンピックに内定している選手として負けられない気持ちもある。他の選手が記録を出していることが刺激になって、練習に打ち込める部分もある。うまく相乗効果として、しっかり力を付けていける材料としていきたい」。

下からの突き上げも、成長の材料とし、オリンピックへ向かっていく。