強すぎる。女子5000メートルで日本歴代3位の14分59秒37の自己ベストを持つ広中璃梨佳(19=日本郵政グループ)が1区(7・6キロ)で完全にレベルが違う爆走を見せた。23分21秒(速報値)。2位のヤマダに31秒差を付けた。

いきなりハイペースでぶっと飛ばした。わずか開始1分足らずで、集団は縦長になった。その先頭を走る広中は、たった1キロすぎで集団を分断し、萩谷楓(エディオン)と2人で抜け出した。長い手足を生かしたダイナミックな走りで、2・5キロ付近で抜け出すと、もう独擅場。アップダウンがあるコースでも、勢いは止まることない。第一中継車のカメラに映るのは広中だけ。松田瑞樹(ダイハツ)、安藤友香(ワコール)、佐藤早也伽(積水化学)と強者が集う中、とても1区とは思えない独走態勢で築いた。

「区間賞を取ることができ、いい流れでタスキを渡せてうれしい。それよりも2連覇が目標。後半の選手にもエールを送りたい」と話した。

長崎商高出身の社会人2年目。中学3年以降、全国大会はもちろん、すべての駅伝で区間賞を取った超有望株。昨年の大会も1区で区間新で2位に20秒差を付けた。昨年より距離が600メートル延びた今年の強さも圧巻だった。

すでに女子5000メートルで東京オリンピック(五輪)の参加標準記録を突破。田中希実(豊田自動織機TC)らとの戦いになる日本選手権(12月4日・大阪)の女子5000メートルを優勝すれば、五輪の代表に決まる。