コロナ禍の箱根駅伝は新様式で行われる。関東学生陸上競技連盟の有吉会長は「駅伝は人々の生活圏の中を走る。いろんな方々のご理解が大事だと思います」と話した。正月の風物詩も、大きく様変わりする。

1月3日、大手町のビル街をアンカーが駆ける。仲間が待つゴールに飛び込んで歓喜の胴上げ-。そんなシーンがなくなる。今大会は開閉会式、表彰式、胴上げ、円陣が禁止となった。「密」を避けるために、細かくルールを決めている。

メンバー変更は4人から6人に拡充。体調不良の選手を替えやすくする措置だ。また中継所でたすきを渡す際、次のランナーを励ます声かけも禁止。「頼むぞ」「任せろ」のやりとりはなくなる。給水ポイントで、給水員はマスク、ゴーグル、手袋などを着用。ボトル回収後は、すぐに専用のポリ袋に入れて密封する。

関東学連は「応援したいから、応援にいかない」というキャッチコピーで沿道での観戦、応援の自粛を呼びかけている。山梨学院大を長く率いた上田誠仁氏は「応援がない分、迫り来る選手の足音や息づかいがお茶の間のテレビで聞こえるかも。そういう楽しみもある」とした。【益田一弘】