正月の風物詩、東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が、来年1月2、3日に開催される。東北ゆかりの注目選手を「箱根を駆ける東北魂!!」と題し、不定期で紹介します。第1回はオープン参加の関東学生連合メンバー16人に選ばれた大東大・菊地駿介(1年)。昨年の全国高校駅伝では、主将として仙台育英(宮城)を12年ぶり日本一に導き、今大会では学生連合から夢舞台に挑む。同大OBで10区の区間新記録をかつてマークした恩師の仙台育英・真名子圭監督(42)のように、総合優勝4度を誇る伝統のライトグリーンをまとい、快走を誓う。

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ごぼう抜きで箱根路を走る10人に滑り込む。菊地が在籍する大東大は、10月の箱根駅伝予選会(ハーフマラソン=21・0975キロ)で16位。10位以内の予選通過はならず、2大会連続で本戦出場を逃した。個人としては1時間3分30秒の120位。学生連合16人中15番目のタイムで、レギュラー争いでは後れをとり「今は崖っぷちにいる状態。何が何でも大東にいい結果、いい経験、雰囲気などを得られるようにやっていきたい」と決意表明する。

単独走が得意でリズムを1人で作ることも苦にしない。「自分はマイペースなところがあり、そういうのが走りにもつながっている」。大学1年時から箱根路への挑戦権をつかみ「選ばれただけでもうれしいので、どこでも準備したいというのが本音だが『どこを走りたいか?』と聞かれたら10区を走りたい。必ず単独走になるし、そこで自分の持ち味が生かせる。仙台育英の真名子監督が10区の大東記録を持ってるので、それを超せるような走りができたらいい」。大学4年時に10区で1時間10分19秒の区間新を刻んだ恩師の背中を追う。

菊地は優勝に輝いた昨年の高校駅伝で、4区で区間4位と好走。当時のメンバーには、今月の日本選手権5000メートルで3位に入り、U20日本新を更新した中大・吉居大和、全日本大学駅伝でメンバー入りした東海大・喜早駿介(ともに1年)がいる。「大学のレベルは日本全体でも上がり、自分の同級生である吉居や喜早が世代のトップなので、刺激を受けながらやっています」。2人とは近況報告し合うなど、高校卒業後も交流は続いている。

ユニホームに刻まれた伝統の「D」を背負い最後まで全力を尽くす。「自分は箱根駅伝で小さいころから感動を受けてきたので、周りの人、見てくれる人に感謝の走りを見せたい」。その「駿足」で大東大のプライドを示す。【山田愛斗】

◆菊地駿介(きくち・しゅんすけ)2002年(平14)1月26日生まれ、埼玉県新座市出身。仙台育英から大東大に進学。自己ベストは5000メートル14分13秒61、1万メートル30分5秒73、ハーフマラソン1時間3分30秒。家族は両親、兄、妹。170センチ、50キロ。