東洋大が「定位置」に返り咲いた。11時間57秒の3位で箱根路を走りきった。

2分14秒差の2位でのスタートから、一時は4位まで順位を落としたが、8区の野口英希(4年)の区間2位(1時間4分15秒)の快走などでたすきをつないだ。10区の清野太雅(2年)は3位で大手町に向かい、一時は青学大にかわされて4位になったが、抜き返して3位でフィニッシュした。前年は10位に沈み、11年連続の3位以内が途切れた。逆襲にかけた大会だった。

昨年は選手層の薄さを敗因と分析した。酒井俊幸監督が選手たちに強調したのは、「1人1人がまず自分の現状を考えて、自分で行う力を養っていくこと」。誰かに頼らずに全員がキーマンという自覚を促した。

チームは新型コロナウイルスの影響で4月から9月まで全体練習ができなかった。さらにその後も、寮の密を下げるために、寮で残ってトレーニングする選手と、自宅待機する選手と2つに別れてトレーニングを積んできた。その中で選手おのおのが課題に向き合い、自立して練習に取り組んできていた。

来年は8年ぶりの総合優勝を目指す。