陸上日本選手権走り高跳びで6度の優勝経験を持つ福本幸(44)が、マスターズ陸上での世界記録を目指す。12日、「夢・授業」で大阪市の横堤小学校を訪問し、小学3年生に授業を行った。

小学4年生の娘を持つママさんアスリートとして現役生活を続けており、まだまだ夢は途絶えていない。現在世界マスターズ陸上の女子走り高跳び45歳以上の部の世界記録は176センチ。04年と13年にマークした192センチ(日本歴代5位)が自己記録の福本は「1年後には挑戦できる年齢になるので、クリアしたい。競技者としての欲はまだあります」と笑顔で話した。

昨年4月に半月板断裂が発覚し、手術もできない状況だと明かしたが、リハビリを重ね競技ができるまでに回復しているという。

現在は甲南学園アスレチッククラブに所属し、大学生にスポーツや健康作りに関する授業を行っている。福本自身は、小学生の頃は体育が好きではなく、運動も苦手だった。しかし、高く跳ぶことが好きで「もっと高く跳びたい」という思いだけが、現在まで続けている走り高跳びにつながっている。「自分に合ったスポーツに出会えて良かった。走り高跳びが本当に好きなんです」と小学生のように目を輝かせながら語った。

授業を通して「私は全然跳べないときから『190跳びたい!』と思っていた。実現するかは望むかどうかだけ」と自身の経験から生まれた思いを明かした。

肩甲骨の運動や、ジャンプ、ゴム跳びなどに元気いっぱい取り組む小学生に「みんなめっちゃすごいやん!」と声をかけながら、誰もが積極的に取り組める授業を展開した。

今後も大学の授業でスポーツや健康管理の重要性を伝えながら、アスリートとしてさらなる高みを目指していく。【佐藤あすみ】

◆福本幸(ふくもと・みゆき)1977年1月4日大阪市生まれ。淀中(大阪)で走り高跳びを始めた。夙川高校時代は全国ランキング1位だったが、インターハイでは2位。甲南大卒業後、中京女子大学院修了。中学の教員を務め04年に歴代5位となる192センチの自己ベスト記録。06年に日本選手権で初優勝。結婚、出産を経て13年にはアジア選手権で5位に入賞している。