北信越で今夏開催の全国高校総体(インターハイ)につながる熱い戦いが、各地で始まった。福島、宮城で県高校総体陸上が開幕、青森県では2日目が行われた。宮城では仙台西・渡辺希(3年)が男子走り幅跳びで7メートル43の大会新をマークし、全国上位に名乗りを上げた。

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渡辺がこれまでの大会記録を22年ぶりに5センチ更新して昨秋の県新人大会に続く優勝を飾った。7メートル22の予選首位でトップ8入り。最終6回目の試技直前に優勝が確定する中、両手を頭上に掲げ、スタンドの手拍子を要求。5回目までの記録を23センチ更新して優勝に花を添えた。全国高校総体が中止になった昨夏、コロナ禍の中で行われた全国高校リモート陸上選手権3位の記録を4センチ上回る好記録。自己ベストを17センチ更新した渡辺は「試合運びはよくなかったけれど、大会記録は狙っていました。(優勝確定後の)最後は気持ちが楽になって跳べました。向かい風が微妙でしたが拍手のおかげです」と感謝した。

左かかとを痛めていた昨秋の東北新人大会は7メートル06にとどまり、3位に甘んじた。冬場は走力とパワーアップに力を注いだ。400メートルリレーの第2走者も務めており、100メートル11秒2とチーム首位の走力を助走スピードに生かしている。昨年から助走距離を5メートル長くし、歩数も18歩から20歩に増やし、踏み切り時のパワーに変えた。

今季は上り調子だが、満足はしていない。次の目標は7メートル52の県高校記録更新だ。自身初の全国高校総体出場をかけ、県王者として東北大会(6月19日~、岩手・北上総合運動公園)に臨む。3段跳びとの全国2種目出場を狙う渡辺は「(幅跳びは)県高校記録で優勝して東北王者で全国に行きたい」と力を込めた。【佐々木雄高】

◆宮城男子1500メートル 東北の高橋彰太と神田大地の3年生コンビがワンツー・フィニッシュで東北大会に駒を進めた。ライバル仙台育英勢と一騎打ち。最終コーナー手前で首位に立ち、3分52秒53の自己ベストで優勝した高橋は「(神田と)同じ高校で競り合ってきたので1、2位を取れてうれしい」と振り返った。昨秋の東北新人大会は5000メートル2位。1年秋に国体少年B3000メートル出場の高橋は「5000メートルでも1位を目指したい」と県2冠獲得に闘志を燃やした。

◆宮城女子5000メートル競歩 白石・太田陽菜(3年)が2位以下を2分15秒以上引き離す26分51秒76で昨夏の県代替大会に続く「連覇」を決めた。記録重視でスタートから飛ばし、ゴール約10メートル手前では2、3位をごぼう抜きの周回遅れにしてフィニッシュ。昨秋マークした26分29秒の自己ベストに届かなかった太田は「順位より記録。最初からハイペースで入って後半にどれだけいけるか試しました」と東北大会を想定。さらに「もっとスピードも持久力もつけて東北大会では25分台で4位以内を目指したい」と自身初の全国切符獲得に挑む。