数々の苦悩を乗り越えた。自己記録10秒00の山県亮太(28=セイコー)がついに挑み続けてきた「10秒の壁」を突破した。

決勝で追い風2・0メートルの条件下、日本新となる9秒95で優勝した。桐生祥秀(25)、サニブラウン・ハキーム(22)、小池祐貴(25)に続き、日本人では史上4人目の9秒台スプリンターになった。

以下、山県亮太の一問一答

-9秒95について

「ここが世界の準決勝だと思って臨みました。最後まで集中力を切らさないことを意識した。(9秒台は)長年の夢。すごくうれしいし、ホッとしている」

-これまで風に恵まれないことも多かったが、追い風2・0メートル

「アンラッキーもあった。これまで行いが悪かったんですかね(笑い)。風は運。今日はラッキー。10年に1度の風が吹きました」

-参加標準記録を突破した予選後に棄権する選択肢もあった

「(体の)不調もなかった。世界大会の準決勝などを思えば、このタイムで何本そろえられるかが1つのキーになる。記録を出せるように調整した」

-オリンピック(五輪)でも決勝進出を狙えるタイムになる

「世界大会の準決勝は、風がなくても、これぐらいのタイムで走らないといけない。走りの精度を上げたい。もう1歩前進しないといけない」

◆山県亮太(やまがた・りょうた)1992年(平4)6月10日、広島市生まれ。修道中、高から慶大を経て、15年にセイコー入社。16年リオデジャネイロ五輪では、100メートルで2大会連続となる準決勝に進出。400メートルリレーは第1走者で銀メダルに貢献した。18年ジャカルタ・アジア大会では10秒00の銅メダル。趣味は釣りで、2月には東京湾で50センチ級の真鯛をゲット。177センチ、72キロ。