自分を超えた。女子5000メートル競歩で永井優会(ゆあ=北見緑陵3年)が、北海道高校新の22分37秒59で優勝した。2位になった昨年10月の全国高校で自身がマークした記録を更新。「インターハイに焦点を合わせていて、22分台を出せたらいいなと思っていた。すごい満足のいくレースでした」と笑顔をみせた。

スタート直後からトップに躍り出ると、そこからは1人旅だった。「同じペースで刻んでいくこと」という言葉通り、降りしきる雨の中でも最後までペースを乱すことはなかった。2位に1分半以上の差をつける圧勝劇に周囲の視線をくぎ付けにした。

競歩を始めたのは高校1年。もともとは長距離選手だったが、中学時代に記録が伸び悩んだ。「全国では戦えない」と自ら競歩への転向を決意した。練習を積んでいくうち、めきめきと成長し、全国レベルへと成長を遂げた。

今年3月には、愛媛で行われた日本陸連のU19強化研修合宿に参加し刺激を受けた。東京五輪男子競歩代表の高橋英輝(28=富士通)を育てた塚田美和子氏(48)の指導を受けた。ひねる動きを入れた腹筋トレーニングなどを教わるなど多くを吸収。「フォームもストライドが伸びて良くなった」と効果は形となって表れた。

昨秋の全国2位の悔しさを晴らすべく、雪辱の舞台への切符を手にした。「インターハイと国体で優勝が目標。あとは21分台を出せるように」。次こそは日本一を奪う。【山崎純一】