箱根駅伝で2年ぶり6度目の総合優勝を果たした青学大は4日、一夜明けて大会を中継した日本テレビの情報番組に生出演した。

原晋監督とメンバーたちは早朝の「ZIP!」を皮切りに、タレントの加藤浩次が司会を務める「スッキリ」を“はしご”出演し、激闘の舞台裏などを明かした。

原監督による青学メソッドがあふれる逸話の数々。2区を走った近藤幸太郎(3年)が「ラスト3キロがきつかった。(監督から)笑って戸塚の坂を登れと言われたけど、全然笑えなかった」と苦笑。それに原監督は「笑うことでテンションが上がる物質セロトニンが(脳内に)出てくる。こちらも(監督車から)“行けるよ、行けるよ”と語尾を上げることで気持ちが上がってくる」と解説した。

3区では太田蒼生が1年生らしからぬ冷静な判断で、首位に飛び出してきた東京国際大の丹所健(3年)に付き、18キロすぎで逆に突き放した。その映像を振り返り、「先頭に立つより(付く方が)エネルギー消費を抑える走りができる」と太田。スタジオがその判断力に感嘆する中、原監督は「日ごろから考えさせるということをしているので、こういうレースでも発揮できる。私はバシッと答えを言う指導ではない。ヒントを与え、それを選手たちが自分でどうアレンジするかが青学のスタイル。そこから大会に向けて逆算していく」と、その指導法に触れた。

さらには昨年11月の全日本大学駅伝ではアンカーの飯田貴之(4年)が駒大に競り負けた反省から、箱根駅伝の4区で快走した話を紹介された。そこで原監督は「迷ったら攻めろと。パワフルな攻めのレースをしてくれた。社会全体に言えることですが、迷ったら攻めろです」。その上で、そう導くために指導者はどうあるべきか、と問われると「失敗した時にリーダーが怒らないことだと思います」と回答した。

原監督は「うまくいかない時は日々の積み上げが大事。課題を見つけてゴールに向けてどうアレンジしていくか。そういう習慣が身についているのがわがチームの強み。教育機関として、陸上を通して学生たちが学んでいる」。ユニークな発想と発言で世間の注目を浴びる指揮官の言葉は、どれも胸に響くもの。歴史的な新記録(10時間43分42秒)で優勝したチームの強さの秘密が、随所にあふれていた。