陸上女子で東京五輪1500メートル8位の田中希実(22)が1日、同日付で入社する愛知・刈谷市の豊田自動織機で会見を行った。

「今回入社、また入部することで手厚いサポートを受けることができ、自分の目標にしている世界で活躍する陸上選手というものにまた一歩近づいたのではないかと思います。私が目標に向かって努力する姿をサポートしてくれる会社や、また応援してくれる世間の皆さまにも、これからも元気を与えていければいいなと思っております」と心境を明かした。

兵庫・小野市出身の田中は西脇工高を経て、同志社大に進学。大学の陸上部には所属せず、父の指導を受けながら競技力を磨いてきた。拠点は変わらず兵庫県内が中心になるという。

新社会人となり、今季の意気込みを色紙に「流れにまかせる」としたためた。ヘルマン・ヘッセ著の「シッダールタ」などから着想を得たという。「その時々のご縁や気持ちに正直になって、その時に気持ちが向く方に進んでいくことを大事にしていきたい」と意図を説明した。

東京五輪では1500メートルの日本女子として初めて4分を切る3分59秒19の日本記録を樹立した。1000メートル、3000メートルの日本記録保持者でもある。

今季は7月に米オレゴン州で世界選手権が開催され、24年パリオリンピック(五輪)も見据える。今季も800メートルから1万メートルまで、幅広い種目に挑戦する予定。「ここからしっかりとした世界での地位を築く上での正念場かなと思っている。そういう意味で変なおごりだったり、負けないように、ワクワク感をしっかり持って、結果的に走れれば一番いいなと思っています」と意気込んだ。