男子100メートル決勝でサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)が10秒08で1着に入り、世界選手権(7月、米オレゴン州)の代表切符をつかんだ。

前日8日の準決勝では、世界選手権の参加標準記録(10秒05)を100分の1秒上回る10秒04(追い風0・8メートル)をマークした。3位以内に入れば代表に内定する決勝で勝負強さを見せつけた。

東京五輪200メートルで予選敗退に沈んだ昨年度は、「歩くだけで神経痛」と振り返るほどのヘルニアによる腰痛に苦しんでいた。準決勝を走り終えて「(無事に走れることを考えると)幸せだと思う。久々に陸上を楽しめた」と万全で走れることの喜びをかみしめていた。

故障を乗り越えて復活となった。4大会連続となる世界選手権の舞台は、米オレゴン州ユージーン。200メートルでは15年北京大会で準決勝進出、17年ロンドン大会ではファイナリストに名を連ねた。大舞台で再び躍動する。

 

◆サニブラウンと世界大会

▽15年世界選手権(北京) 16歳172日で200メートルでは世界最年少となる準決勝進出。準決勝は組5着で決勝進出を逃した。

▽16年リオデジャネイロ五輪 五輪選考会を兼ねた6月の日本選手権を、左太もも違和感により100メートルと200メートルを欠場。五輪出場を逃した。

▽17年世界選手権(ロンドン) 200メートルで史上最年少(18歳5カ月)のファイナリストに名を連ねた。決勝は7位だった。100メートルでは予選で10秒05をマークも、準決勝で敗退した。

▽19年世界選手権(ドーハ) 100メートルに出場し予選で10秒09、準決勝では10秒15をマークするも、決勝には進めなかった。

▽21年東京五輪 200メートルに出場するも、予選敗退に終わる。「もはやジョギングぐらいの遅さだった」と失意に暮れた。今大会の前日会見で、21年度はヘルニアによる腰痛に苦しんでいたことを明かした。