第106回日本選手権も大会最終日を迎える。世界選手権(7月、米オレゴン州)の代表を懸けた争いなど、4日目の見どころを紹介する。

 

◇女子5000メートル決勝

日本女子の中長距離界を引っ張る2人が、世界選手権の代表を目指してマッチアップする。

すでに1万メートルで代表に内定している広中璃梨佳(日本郵政グループ)が登場する。東京五輪7位入賞、同種目の日本記録保持者として意地を見せたい。

今大会3種目にエントリーしている田中希実(豊田自動織機)は、1500メートルに続いて2種目目の代表内定を目指す。同日午後4時30分から800メートル決勝が行われ、5000メートル決勝は75分後の午後5時35分開始。過密スケジュールの中で結果を残せるか。

世界選手権の参加標準記録を突破しているのは広中、田中、萩谷楓(エディオン)、木村友香(資生堂)、佐藤早也伽(積水化学)。この5人を中心に代表3枠を争う。

 

◇男子走り幅跳び決勝

東京五輪6位入賞の橋岡優輝(富士通)が、世界切符を狙う。

4月9日の日大競技会で踏み切り足の左足首を負傷。同30日の木南記念(大阪)は7メートル76(無風)で3位、セイコー・ゴールデングランプリ(GGP)は欠場した。

今大会は参加標準記録(8メートル22)に照準。代表入りを確実に決めたい。

 

◇男子200メートル決勝

100メートル覇者のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が欠場する中、前日11日の予選では実力者が苦しんだ。

飯塚翔太(ミズノ)と小池祐貴は組2着に届かず、タイムで拾われて準決勝を通過した。全体トップのタイムは、20秒48(向かい風0・4メートル)の上山紘輝(住友電工)。三浦励央奈(早大)、鈴木涼太(スズキ)、鵜沢飛羽(筑波大)、染谷佳大(大阪ガス)、伊藤孝太郎(東京ガス)が決勝に進出した。

 

◇男子110メートル障害決勝

順大の先輩後輩対決に注目が集まる。

東京五輪代表で日本記録保持者の泉谷駿介(住友電工)は、左足首の故障明けながら予選を組1着の13秒29(向かい風0・2メートル)で通過した。「思った以上に中盤以降が安定していた」と手応え。決勝では連覇がかかる。

泉谷の2学年後輩にあたる村竹ラシッド(順大)は、同日の予選で世界選手権の参加標準記録を100分の5秒上回る13秒27をマークした。「想定外というのが正直なところ。余裕を持って緩めようと思ったけど、出てしまった」と自身も驚く好調ぶり。3位以内に入れば、世界選手権の代表に内定する。「この日のために練習を積んできたといっても過言じゃない」と気合十分だ。