女子1500メートルで仙台育英(宮城)の壁谷衿奈(2年)が4分19秒58で優勝を飾った。チームメートの渡辺来愛(くれあ、2年)も4分20秒81の2位でワンツーフィニッシュ。8月に徳島県で開幕する全国高校総体(インターハイ)にそろって出場を決めた。

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仙台育英が誇るスピードランナー、壁谷が1500メートルの東北女王に輝いた。残り300メートル、200メートル、100メートルと徐々にギアを上げ、1位でフィニッシュラインを駆け抜けた。「後ろを徐々に引き離して勝ち抜くレースができたのは良かったです」。この日の目標タイムは4分20秒切り。それを0秒42上回り「インターハイにつながるレースができたと思います」と胸を張った。

壁谷はチームメートの渡辺とレースを引っ張った。2人で競り合う展開を想定。トラック1周のトップ通過は400メートルが渡辺で1分09秒、800メートルが壁谷で2分21秒(1分12秒)、1200メートルが渡辺で3分32秒(1分11秒)だった。壁谷は序盤、集団走の中で足を踏まれて前に出るタイミングを失うアクシデントもあった。それでも「ライバルの意識もあるんですが、普段はすごく仲がいいです」という渡辺とともにワンツーフィニッシュした。

仙台育英は昨年12月の全国高校駅伝で優勝も、全5区間のエントリーに壁谷の名前はなかった。「都大路の6番手(補欠)でギリギリ選手を逃し、一番泣いたというか、悔しくて、『こんなに練習したのに何でだろう』というのもありました」。腐らずに1から自分自身と向き合った。「選手に選ばれなかったからこそ心技体を見直すことができましたし、調子がどんどん上がり、今につながっています」。

今年1月の全国都道府県対抗駅伝では6区で区間7位と好走。高校駅伝の舞台と同じ京都で宮城チームの3位に貢献した。

1500メートルに続いて16、17日の800メートルでも6位以内に入り、全国総体出場を目指す。高校1年時の昨夏は同総体の800メートルで準決勝敗退。今夏は2種目で出場するつもりで「メダルを狙いたいです」と壁谷。仙台育英のスピード女王が、全国でも強さを証明する。【山田愛斗】