【ユージン(米オレゴン州)=佐藤礼征】日本陸連の尾県貢会長(63)は14日(日本時間15日)、米オレゴン州ユージンで会見を行い、2025年世界選手権の東京開催が決定したことを受けて「大変に光栄なことだが、大変な責任も感じている。2020東京(五輪)のレガシーを生かして歴史に残る世界陸上を開催したい」と話した。

同日に行われた世界陸連の理事会で決定した。1991年東京大会、07年大阪大会に次ぐ3度目の日本開催となる。東京では34年ぶりに行われる。

決定の報告は尾県会長の元に、世界陸連のセバスチャン・コー会長(65)から直接電話がかかってきたという。「これまでの功績やオリンピックに対する感謝、日本の強い経済力やスポンサー(を評価してもらった)。お褒めの言葉といいますか、激励の言葉をもらった」。

開催時期については、世界陸連は8月末を、日本陸連は9月中旬を希望しているという。意見の相違があるのは、暑熱対策と他競技のスケジュール調整が主な原因。尾県会長は「9月中旬なら、かなり朝の気温も落ちて選手にとっても安全。マラソン、競歩も東京で行って多くの人に応援してもらいたい」と話した。

21年東京五輪から始まり、22年世界選手権オレゴン大会、23年同ブダペスト大会、24年パリ五輪、東京開催の25年世界選手権。陸上界はビッグイベントが続くことについては「毎年大会が行われるのは、選手にとっても非常にいいことだと感じている」と語った。

日本が世界陸連に25年大会の誘致を申請したのは、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック閉幕後の昨年10月。世界陸連のセバスチャン・コー会長(65)がかねてから、将来的に東京で主催大会を開きたい意向を示していた。

今年5月には、世界陸連の評価委員会がメイン会場の国立競技場を視察し、小池百合子都知事と面会した。スポーツ庁の室伏広治長官や、女子100メートル障害で前日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)がプレゼンを行うなど、招致に向けてPR活動をしてきた。