女子やり投げで日本記録保持者の北口榛花(JAL)が、投てき種目で日本女子初となるメダル獲得への期待を膨らませた。

予選の一本目で今季自己ベストの64メートル32をマークし、通過記録(62メートル50)を超えて、全体1位で22日(日本時間23日)の決勝に進出した。「64という数字が(今季)自分の中で出したかったけど出せなかった数字だったので良かった」。やりが突き刺さると、コーチが待つ後方スタンドへ“ウイニングラン”のごとく笑顔で駆け寄った。

59メートル15で全体11位の武本紗栄(佐賀スポ協)とともに、日本勢では11年大邱大会の海老原有希(8位)以来となる予選突破を果たした。金メダルを獲得すれば、五輪を含めて投てき種目では日本女子初の快挙となる。

前日までにチェコ人のコーチ、セケラック氏が会場を視察して風向きなどを分析してくれたという。「昨日と今日が似たような天気で、弱いけど向かい(風)ではあるのと、下と上で風が違うと言われていた。いつもは高く投げるように言われているけど、風が強いこともあって低めに投げろと言われていたので、それがしっかりできたかなと思う」と周囲にも感謝した。

昨夏の東京オリンピック(五輪)では日本勢で57年ぶりの決勝進出。しかし、予選で痛めた左脇腹の影響で、決勝は12位に終わった。その後は3カ月間はやりを持たず、体づくりに専念。復活を遂げて世界の舞台に戻ってきていた。

6月には世界最高峰のダイヤモンドリーグで日本勢初の優勝を果たすなど、波に乗っている24歳。中1日で行われる決勝でも、歴史を塗り替える。

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