7月の世界選手権で日本勢の女子フィールド競技では史上初となるメダル獲得を果たした女子やり投げの北口榛花(JAL)が、65メートル10でダイヤモンドリーグ2度目の優勝を飾った。

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運命の最終投てきを前に、観衆に手拍子を求めた。上位3人が最終6投目を放れる「ファイナル3」。表情を引き締めた北口が投じたやりは、今季自己最高の65メートル10をマークした。自身が持つ日本記録の66メートル00に90センチ差のビッグスローを決めると、跳びはねながら両手をたたき、喜びを表現。チェコ人のコーチ、セケラック氏とハイタッチを交わした。

銅メダルを獲得した7月の世界選手権でも、最終6投目から大逆転で表彰台に立つなど、勝負強さが際立つ。自身のツイッターには「みんなびっくりしてると思いますが私も同じくらいびっくりしてます」と心境をつづった。日本人初優勝を飾った第7戦(パリ)に次いで2連勝(第8戦は不実施)。歴史的快挙を積み上げている。

世界選手権後は“ご褒美”もあった。銅メダル獲得翌日に、大会期間中で「常連」となったオレゴン州ユージン市の日本食を扱う料理店「TOKYO TONKATSU」を訪問。前日までに米国人店主と「金メダルを取ったらタダにする」と約束していた。結果的に銅メダルだったものの、ギョーザなどをごちそうになったという。日本にいる茶の間のファンだけでなく、現地の住民も引きつけていた。

ダイヤモンドリーグも残り3戦で、北口は次戦の第10戦(モナコ)にも出場する。9月7、8日には、ポイント獲得上位者だけが出場できるファイナル大会(スイス・チューリヒ)が行われる中で、出場に大きく前進する形となった。10日に行われるモナコ大会で、ファイナルへの切符を手中に収めたい。