世界最高峰のリーグ戦DLの最終戦が行われ、日本女子として初進出した女子やり投げの北口榛花(24=JAL)が63メートル56を投げ、ファイナルでは日本選手過去最高の3位に入った。

8月の世界選手権で銅メダルと勢いに乗る北口は、ここまでのDLで4戦連続の表彰台を続け、フィールド種目では上位6人だけが進めるファイナルの舞台に立った。

一投目こそ57メートル03で入ったが、3投目に63メートル35を投げ、前半を終えて1位と46センチ差の3位につけた。世界のトップ選手と堂々と渡り合う。

表彰台を確定させて挑んだ最終6投目では、満員の客席に拍手を求めながら大きな放物線を描き、63メートル56と記録を伸ばし、再び世界の表彰台を射止めた。

試技後にはトレードマークの笑顔ものぞいた。試合後にはツイッターで「3位が嬉しかった世界陸上から、3位かぁ。と思えることが今季の成長だと思います。世界のトップ選手と戦える、多くの意味がある舞台にたてて幸せでした。応援ありがとうございました」とつづった。求めるものがより高くなったことを、前向きに捉えた。

優勝したウィンガー(米国)の記録は64メートル98。自己記録で日本記録の66メートル00を持っており、この舞台でも優勝は現実的な目標に捉えられる。単身で強豪国のチェコに渡り鍛え上げてきた。今大会にもチェコ人コーチとともに車で現地入りした。

8月の世界選手権では、こう誓ってもいた。

「観客の人に顔を覚えてもらうことも大事。世界中にファンを作れたらいい」。

「KITAGUCHI」の名前は確実に浸透しつつある。「(今大会は)すごくお客さんが入っていた。またこの舞台に戻ってきたい」。来年もこの最高峰の舞台で。そして、その先にはパリ五輪が待つ。

◆ダイヤモンドリーグ 国際陸連(現世界陸連)が2010年に新設したトラック、フィールド種目の世界最高峰シリーズ。欧州、北米、アジアで14大会が行われる。欧州の6大会で構成されたゴールデンリーグが前身。出場枠が少ないため、参加者は世界のトップ選手に限定される。今季は中国2大会が中止となり、12試合で開催された。各大会の上位に入るとポイントを獲得し、その上位だけがファイナルに進める。勝者が年間王者となり、23年世界選手権のワイルドカードでの出場権も獲得できる。