たくさんののぼり旗を-。初の箱根駅伝出場を目指す2年生ランナーが壮行会で、理事長と学長に異例のお願いを申し出た。

第99回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)で連覇に挑む青山学院大の壮行会が15日、都内の青山キャンパスで開催された。チームは今季、10月の出雲駅伝で4位、11月の全日本大学駅伝は3位。いずれも駒大の強さに屈した。

出雲5区を走った田中悠登(2年)は「2大会とも目標の優勝には届かず、悔しい結果となりました」と振り返る。敗因を分析した結果、ある結論にたどり着いた。それは沿道を彩るはずの母校ののぼり旗が「圧倒的に少なかった」ということだ。

苦しい局面やスパートを掛ける場面を迎えたとき、たなびく青学大カラーのフラッグが目に入れば、きっと背中を後押ししてくれるはず。田中は「堀田理事長、阪本学長、ぜひこのフレッシュグリーンののぼり旗をたくさん作っていただければ」と大きな声でアピール。さらには「3年ぶりの有観客となる箱根駅伝応援ツアーも企画していただければ、非常にパワーをいただけます」と提案した。母校愛とユーモアたっぷりのお願いに、詰めかけた学生たちから拍手と笑い声があがった。

すぐ近くで田中のスピーチに耳を傾けていた阪本浩学長も、笑みを浮かべてうなずいていた。【奥岡幹浩】